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マスコミへの不信
「某スポーツ新聞の記者、喋りたくないんですけど・・」

その選手曰く、話した内容と違うことが翌日の記事になった事が数回あったそうだ。話しているとその記者が「サッカー知識に乏しい」ことにも気付かされたそうだ。その記者に関して、同様の意見を持っている選手が他にも何人かいた。そう、その記者は選手達に嫌われているのだ。

西岡 明彦さんが書かれた「Watch on Footmedia メディアの裏側より」にあった、あるJリーガーの言葉だ。(Footmedia Web Column)

この類の話は以前からよく聞く話で、有名なところでは、WC期間中に勝手に代表を引退宣言させられた選手は、別の件で○○団体に追いかけられたと聞く。他にも代表拒否と伝えられて3年近く代表に呼ばれなくなった選手もいた(復帰してから専門誌に真意が伝えられた)。近いところではダービーだと思っていない発言だとか、出身国が同じだからと相撲取りのことばかり聞いて呆れられるとか、日本のマスコミはほんといろいろやってくれる。

選手のコメントを元に記事を書くというのは一般的な手法の一つなんだろうけど、肝心のゲーム内容の分析はお粗末。それどころか選手の発言そのものを面白おかしくゆがめて、それ自体をニュースにしてしまうのはフェアなやり方とはとても思えない。時には本当に取材しているのかと思うような内容の記事さえある。選手とマスコミのそのような関係は不幸なものだし、読者としてもとても信頼できるものとは言いがたい。

確かにサッカーに興味を持つ人たちを増やすには一定の効果はあるだろう。そういう観点からは、一部では酷評されている某テレビ局の中継もありなのかもしれない。しかし、そんなことで日本サッカーの底辺は拡大できるのだろうか。芸能ニュースじゃないのだから、客観的なゲーム分析や選手の評価「も」真面目にやって欲しいのである。

それと読者ではなくスポンサーの方を向いているから取り上げられる選手はいつも同じで、プレー内容が具体的な批判にさらされることがない。この点は英語圏の国と比較する限り、きわめて不健全だと感じる。そして日本では、選手選考にもそういう力学が働いているという噂まで出てくる始末で、近頃ではライターにもそういう傾向があると言われている。

その気になればネットを通していろんな情報収集が可能な時代だ。マスコミのフィルターを通さない有意義な情報は世界中にあふれているし、そちらの方がよほど質が高く、興味深いものが多い。気がつけばサッカー専門誌さえ買わなくなって3年以上が経っている。WC出場決定時とリバポがCL制覇した時には少しだけ買ったけど、今では基本的にマスコミには単なる一時情報だけしか期待していない。目先の利益も大切だろうけど、長い目で見れば損をしているのでは...。

同じコラムにあった次の文章に激しく同意してしまうのである。

サッカー文化の成長や定着は、メディアとの融合なくして実現はしない。そのなかで誤った記事や論調が横行してしまっては、文化が間違った方向に進んでしまいかねない。また記事内容から誤解を生み、選手自身が不利益を被ることもある。

立場はどうあれ、サッカーに精通したプロフェッショナルが支えてこそ、正しいサッカー文化が根付いていくはずだ。

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by heppoko_zephyr | 2005-10-28 23:20 | フットボールあれこれ
クライフの回答
「でもあれだけお金をかけてあのフットボールじゃ
 自分はチェルシーのフットボールに魅力を感じることはないだろうな...。」

一昨日のエントリで書いた言葉だ(こちらには転載していません)。

自分はフットボールの内容もそうだけど、モウリーニョという人物が好きではない。
イングランドで彼が批判されているように攻撃的なキャラクターだから。

まあこのあたりは、モウリーニョがスペイン人で言葉が堪能でなく、
英語では直接的な表現しかできないハンディキャップもあるのだろう。
ただそれを割り引いても少々度を越えているし、言動で損をしていると感じている。

今回の件は、クライフに対して人格攻撃ともいえる反論を投げかけたのだけれど、
クライフはあくまでフットボールの内容の問題として冷静に答えている。

その内容が、自分の感覚に非常に近いものなので残しておこう。

モウリーニョの名誉のために付け加えておくと、
ラファは、去年のCL準決勝の Anfield での敗戦後にリバポの選手一人一人と握手し、
勝利を称えた姿が本当の彼だと言っていました。
クライフ、モウリーニョの挑発に皮肉たっぷりの回答(Livedoor sports)

 あのモウリーニョの挑発から2週間。今度はヨハン・クライフが、スペイン紙“La Vanguardia”の連載コラムでモウリーニョにメッセージを送った。その中で、クライフは『結果』よりも重要なものがあることを強調している。

<以下、クライフのメッセージ>

「モウリーニョがわたしの教えに耳を傾けたいというのを喜ばしく思う。私が彼に何を教えられるか? 70年代のアヤックスであり90年代のバルサのフットボールを教えられる。私はいつでもスペクタクルなフットボールを実践してきた」

「このスポーツでは結果も重要だということはわかっている。そして、弱小クラブが必死に守りを固めなければいけないことも理解している。だが、すばらしい選手たちを抱えたビッグクラブは、それだけで終わってはいけない。何かのプラスアルファが必要だ。それはフットボールのためにもそうでなければならない」

「だから私は、フットボールのことを考えず結果だけを重要視するような監督には同調しない。私がモウリーニョに教えられるのは、ただ勝つだけではなく、世界中の尊敬を集めるプレーをして勝つ、ということだ」

「チャンピオンズ決勝の0-4の敗戦については聞きたくない? それはまだ彼が監督としてのキャリアは浅いからだ。これからそういう経験もするだろう」

「そして、彼は数々のタイトルを獲ってきたが、タイトルを獲得することと世界中から賞賛されるプレーをするということは全く違うものだ。私はタイトル獲得よりも大切なものを実現してきた」

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by heppoko_zephyr | 2005-10-25 21:04 | フットボールあれこれ
中村、言われてるぞ!
対ハーツ 1対1期待に応えていない!(goo スポーツ)
Nakamura the weakest link for fragile Celtic(Sunday Times)

珍しく中村に批判的な日本の記事を発見したので原文をあたってみた。

この間のハーツ戦の記事、タイトルもえげつないけど、
中身も辛らつで、ずいぶんと地元紙は言ってくれていますね。

選手個人を評価するのにはいろいろな物差しがあるし、
それは国やリーグによって異なるものでうなずける点もある。

自分も彼に対する不満をここに書くことがあるが、
外国のクラブで外国人としてプレーすることの意味や攻撃的MFに期待される役割、
そろそろそんなものを本当の形にしてくれることを期待しています。

中村に焦点があたりすぎている面がありますが、
記事の内容そのものは冷静なものだと思いました。
中村に関係ある部分のみ抜粋しておきます。

A contributory factor is that the Old Firm have not signed the calibre of players that scare other teams. Hearts midfielder Samuel Camazzola is a player that manager George Burley apparently doesn’t fancy, but Celtic’s Shunsuke Nakamura had less impact on yesterday’s game than the Brazilian.

I watched Nakamura make his debut against Dundee United, a performance that had Strachan calling it the best debut he had ever seen. I wouldn’t push it that far, he did well but United lacked belief. He has lorded it over smaller sides who haven’t got the quality and sit off the game, like United, Falkirk and Inverness. But he was non-existent in the Old Firm game and, in recent matches that I’ve seen, he has been a peripheral figure.

He was deployed on the right side of midfield yesterday from where he could come inside and create, but he created very little. When Celtic fans think of Lubomir Moravcik, their last playmaker of note, they remember a guy who could make something happen even when he was not having a great game. I am yet to see that from Nakamura. He is not the new Juninho, but if Hearts keep getting results and Celtic struggle, it will pose a conundrum for Strachan. The manager is looking for a formation that most suits Nakamura but he hasn’t found it yet. How long can he try and accommodate a player who is becoming a luxury?
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by heppoko_zephyr | 2005-10-22 23:57 | 欧州フットボール
Jリーグの将来像は?

Jリーグの将来像検討の委員会を設置(日刊スポーツ)

日本サッカー協会内にJリーグの将来像を検討するための委員会が設けられることになった。日本協会の川淵三郎キャプテンが18日、明らかにしたもので、20日の理事会で正式決定する。
 Jリーグの鈴木昌チェアマンが検討を要請していたのを受ける形での設置となる。同チェアマンによると、全国でJリーグ入りを目指すクラブが約40まで増加。Jリーグでは受け入れきれないため、委員会は日本協会として、J2の適正クラブ数やJ2からJFLへの降格などを討議する。

このあたりの情報は断片的にしか伝わってこないこともあり、Jリーグの将来像について明確なメッセージとして伝わってこないことが残念です。
それはともかくJリーグでは、全国でJリーグを目指すクラブを約40と把握し、Jリーグでは受け入れきれないと考えているようです。そしてJ2までをJリーグとして、当面は拡大する計画がなさそうに読めます。
自分の中でのJリーグのイメージは、欧州のように1部を頂点とし、下部リーグに至るピラミッド型の組織です。日本もそういう組織を目指していると信じているのですが、まだまだ早急に拡大する時期ではないということなのでしょうか。
以前にも書きましたが、これからは地方のクラブがJを目指す時代です。日本全国にJのクラブが出来て、サッカーを根付かせることが、Jリーグの重大な使命だと考えます。何年、何十年かかるかわかりませんが、J3やその下の地域リーグまで含めてJリーグと呼ばれようなリーグを念頭においた検討を忘れないで欲しいと願います。

Jリーグが草津に5000万円融資(スポニチ)
Jリーグ:J2入会申請でFCホリコシの審議見送り(毎日)
トップチームがJに参加してから、クラブの骨格を作るのでは順番が逆のような気がします。自治体の協力によるハード面の整備は重要な問題ですが、まずは基礎体力の強固な地域密着型のクラブを作らないことには、これからも似たような問題が発生しそうです。
クラブ・スポーツの歴史が浅く、意識もまだまだ根付いていない日本なので無理もない面がありますが、プロ選手を目指すサッカー小僧がまずは地元クラブのユースチームを目指すようなユース組織の充実が必須ではないかなと。
一朝一夕にそんな魅力のあるクラブはできそうにありませんが、Jを目指すクラブにはそういった地元密着の理念だけは忘れて欲しくないなと。

#関連エントリ
草津
愛媛FC
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by heppoko_zephyr | 2005-10-19 21:01 | Jリーグとか
サー、中田英寿!(イタリアの勲章を受章)
Arise, Sir Nak!(This is lancashire)

以下は、地元紙を邦訳したものです(一部省略、意訳しています)。

1947年に設けられた章(The Order of the Star)で、イタリア人、外国人を問わず、顕著な活躍をした人に送られるものです。
中田英は、イタリア・フットボールのイメージ向上に貢献したとして受章するもので、おそらく外国人選手として初めてのケースのようです。
1997年と98年にアジア最優秀選手にも選ばれた中田英(28)は、ペルージャを皮切りにイタリアで7年間プレーし、ローマでは2000-2001年のシーズンにスクデッドの栄冠にも輝いています。
監督のサム・アラーダイスも彼の受章を祝っています。イタリアで成功した中田英がプレミアで新しい挑戦をすることを賞賛し、イタリア同様のパフォーマンスを期待しています。ただ東欧遠征の2試合でほぼフル出場したことについては渋い顔をしています。


#おまけ
欧州予選プレーオフ組み合わせ
 スペイン-スロバキア、スイス-トルコ、ノルウェイ-チェコ
 11月12日、16日。左側の国が先にホームで戦います。

欧州予選のプレーオフの度に思うことだけど、
各大陸でこぼれた国を集めて、プレーオフをすればいいのになと。
たとえ地域に偏りが出ても、WCのレベルが高い方が楽しめる。
どうせカップ戦なのだから。

#以下、地元紙に掲載された全文です。
Arise, Sir Nak!

Last posted: Friday 14 October 2005 14:39
HIDETOSHI Nakata is to receive one of Italy's highest honours.

Wanderers' Japanese midfield ace is to be made a Knight of the Order of the Star of Italian Solidarity by the nation's president, Carlo Azeglio Ciampi.

News of the decoration came in a statement from the Quirinale presidential palace in Rome.

The Order of the Star was originally created in 1947 to recognise the achievements of Italians and foreigners who played distinguished roles in the reconctruiction of post-war Italy.

Nakata, who attracts David Beckham-style attention in Japan, has been honoured in recognition of his work promoting the image of Italian football. He is believed to be the first foreign footballer to receive the award.

He played seven years in Serie A before his loan move from Fiorentina to the Reebok this summer.

The 28-year-old, who was voted Asian player of the year in 1997 and 1998, joined Perugia before moving to Roma, where he won the Scudetto (the Italian championship) in 2000-2001.

Despite the hero worship he commands in Japan, Nakata adjusted so well to life in Italy that he intends to make his home there when he eventually hangs up his football boots.

"I have become so accustomed to living in Italy that I feel more like I'm at home when I come back to Italy after being away, rather than when I go home to Japan for a visit," he said when he announced he was leaving Florence for Bolton.

"Problems with language are pretty much non-existent, and as well as being adjusted to the way of life, I have lots of friends. Basically, I have come to feel like I belong here, almost like I must have been born here."

Sam Allardyce congratulated Nakata on his award, praising him for having the character to leave the good life in Italy to put his talents to the test in the Premiership.

"You can have nothing but admiration for a man who was comfortable in Italy but wanted to take on a new challenge," the Wanderers boss said.

"I just hope he makes the same contribution in the Premiership as he did when he was doing so well in Italy."

Allardyce, however, was not so pleased to hear that Nakata had been used in Japan's two friendly matches over the last six days - 86 minutes in the 2-2 draw in Latvia and 90 minutes in the 1-0 defeat in Ukraine.

"I'm disappointed that he played in both games," he said. "We wanted him as fresh as possible for this weekend.

"It would have been nice if they'd been a bit more lenient with us and played him in just the one game."

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by heppoko_zephyr | 2005-10-15 10:08 | フットボールあれこれ
WCのシードはFIFAランキング順かも
Rooney needs firm hand - Blatter(BBC)

引用元のタイトルは、FIFAブラッター会長が、
ルーニーのプレー振りに苦言を呈したというものですが、
同じBBCラジオの番組中にWCのシード国について興味深い発言がありました。

「WCのシード国はFIFAランキングによって決定する」というものです。
これまでは、過去3年のランキング平均値と過去3回のWCの成績を元に
シード国を決定していたのですが、変更されるのかもしれません。

イングランドは、従来基準だと7位だったのが、
11位に落ちるということでちょっとした騒ぎになっています。
実はポーランドとの最終戦もシードのために必勝体勢で臨んでいました。

9月の上位ランキング国は、
ブラジル → オランダ → アルゼンチン → チェコ → メキシコ → フランス →
アメリカ (ここまでで開催国ドイツを入れて8カ国)
以下、スペイン → ポルトガル → スウェーデン → イングランドです。

日本は16位なのですが、第2ポッド以下はどうなるのでしょう...。
北中米から2カ国というのも違和感があります。

Blatter also hinted the seedings for the 2006 World Cup finals will be based purely on world rankings.

The system previously used by Fifa takes into account the average world rankings during the past three years as well as performances at the past three World Cups.

#おまけ
日本代表が来年2月に米国と対戦(日刊スポーツ)
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by heppoko_zephyr | 2005-10-14 06:59 | フットボールあれこれ
うーん(日本0-1ウクライナ)
なんかジーコがレフェリーを痛烈に批判していたらしい。まあ笛はあからさまにホーム寄りだったけど。でもテレビで見る限りPKの場面は、相手が積極的に競ろうとしていないのだけど、確かに手は掛かっている。アウェーならばファールと判定されることもあるだろうな。中田浩の一発レッドもそうなんだけど、ホーム偏向の程度は別として、前半からのつまらないファールやカードの積み重ねがああいう結果を引き起こしたという見方も出来ないことはないんだよな。まあWCではここまで酷くはないだろうけど(笑)

でもそんなことより、2試合とも相手をほとんど崩せていないことの方に深刻さを感じてしまう。ジーコは、レフェリーの質をより問題視して忘れようとしているみたいだけど、そんなことでいいのか・・・。ラトビア戦は必然性を感じるゴールではなかったし、とくにウクライナ戦は決定機らしいものはなく、シュートはわずか4本で、枠内は1本だけ。これではいくらジーコがレフェリーを批判しても勝てないし、もしシュエフチェンコらレギュラーが揃ったウクライナなら、もっとはっきりした結果が出ていたのではなんて想像してしまう。

2試合を見た印象としては、中村(に限らず日本人選手)の単独トップ下は辛いかなと。守備的な3センターでもダイアモンド型でも3列目の選手を生かそうとするなら、前線の2列目までに基点を作りたい。ウクライナもラトビアも2トップに入る楔を徹底的につぶしに来ているのだから、2列目の選手がフォローに入るなり、局面を打開する必要がある。ところが中村が下がって(下がらされて)しまっては、FWは孤立するだけで、攻撃を形にする方が難しいのでは。

ビルドアップ時に2列目の中村が下がることによって中盤の展開力が増すというメリットはある。しかしその攻撃の多くは遅攻になってしまっていて、守備陣形を整えられ、きっちりゴール前を固められている。サイドを崩しても中央はFW2人に大男4人くらいで取り囲まれていては、惜しいシーンは期待できてもなかなかゴールまでは・・・。相手関係や展開があるので簡単に結論の出る問題でもないんだけど、この2試合、前線に有効な基点ができなかったことを考えると、もう少し前目のポジションでFWのフォローに入る動きが必要だったと言いたくなってしまう。

別に中村の責任だというわけではない。バイタルを離れてボールに触れたがるのは彼の特徴なんだけど(中盤の枚数が5枚の同数であっても彼はそういう動きをしただろうし)、そもそも守備戦術やゲームプランがしっかりしていないから、トップ下が守備に追われる状況に追い込まれている面もある。縦に早い攻撃から2列目がFWに直接絡んだり、サイドに展開する選択肢がなくなってしまっているから、細かいパスをつなぐ攻撃にウェイトがかかり過ぎている印象。これでは相手も守りやすかったと想像してしまう。

そしてよく書くことだけど、技術はあってもフィジカルで劣勢に立つ日本は、守備ラインが押し込まれてしまうと苦しい。退場で1枚少なくなってからは別として、どうもDFラインは後方への一方通行で、前に出る意識が低いように感じられる。ジーコは裏をとられるのを極端に嫌うようだけど、これではラインは下がるばかりで、日本の高さ不足を咎めやすくなってしまうし、一度そういう状況に陥るとなかなか流れを変えることができない原因の一つなのでは。

前線からのプレスのかけ方、ボールの奪いどころをはっきりさせないと、いくら中田英が「早い攻撃をする必要がある」と言っても絵に描いた餅にしか聞こえない。もっとラインを高く保ち、中盤の底の稲本や中田浩のところでボールを散らす展開にもっていく必要があるし、ビルドアップ時に両サイドが中盤の数的不利を解消するような絡み方も必要だと思う。速攻の意識は別として、現実には理想よりかなり低い位置でボールを奪って、そこからパスをつないで攻撃しようとしている。それでは中盤で相手のプレッシャーに引っかかるか、ゴール前に壁を築かれてしまっているかで、構造的にゴールしにくいフットボールをしているなあ・・・、そんな印象が強く残るのである。

■ DF
昨日の試合なんかはとくに個々の選手の頑張りには頭の下がる思い。でもウクライナのグダグダ感に助けられた面が強く、最後までDFラインとしての一体感を感じることがなかった。この点では、やはり宮本の存在は大きいということなのかな(4バックだと怖いけど)。

その中では、後半になってからの駒野のタイミングのよい飛び出しが印象に残った。欲を言えば、前半にもそういう動きを見せて欲しいし、もっとビルドアップに積極的に角を出して欲しい。ジーコは嫌がるかもしれないけど。

サントスは、守備を意識すると途端にプレーがちぐはぐになり、怖い選手ではなくなってしまうなぁ。明らかに左サイドを狙われている気がしたのは気のせいだろうか。少なくともアウェーや守備を重視するゲーム向きの選手ではないと思う。

村井の守備は、サントスよりは安心。1人少ない状況だったので、サイドのケアが遅れるのは仕方なかったのだろう。もう少し見てみたかったな。

■ MF
中村は、先に書いた通り。なぜ海外のクラブで2列目で起用されることが少ないかが端的に現れた内容だったと思う。ならば2列目を2人にするとか、2シャドーの一角に置くとかそれなりの戦術があると思っている。この日はマンマーク気味に来られて消えていたし。それと目一杯動き回って早々に消耗しているようでは、とてもゲームを任せることなんて出来やしないぞ。

中田浩は、2戦目の退場はともかく(親善試合で一発レッド喰らうほど悪意があったとは思えない)、ラトビア戦の終了間際のパスは、あの時間帯、あの局面で、あのパスを出してしまう感覚が理解できない(外側に勝負してアウトにする方がよっぽどまし)。もっとクレバーな選手だと思っていたんだけどな。SBのポジションを奪って欲しいし、展開力には期待しているのだけど、よいアピールが出来ずに終わってしまった。

稲本は、サイドの選手ではないと思う。代表では中盤の底がいいのだろうけど、フィジカルの強い相手にはトップ下でつぶれ役もいいのではなんて考えてしまう(まあ飛び出させた方が面白い選手だけど)。プレミアで戻りが遅いと批判されているけど、代表ではある程度マークを受け渡せる分だけ楽をしていたかと。徐々に運動量も増えてきたんだけど、まだまだ物足りない。

中田英は、周囲の選手が彼の意図を理解できるかにかかっていると思う。中田英の動きは自然なものであっても、周囲が反応できずに全体のバランスが崩れてしまう局面がまだまだある。2列目で使えばそういうリスクも減るだろうが、中村との縦の関係は信頼関係も生まれてきたようなので、このままで煮詰めていって欲しいなと。

松井は、中村のポジションを脅かせる潜在力を示したと思う。第2戦の起用は彼向きの場面ではなかったけれど、チームをよく活性化させていた。問題は第1戦で、中田英-中村ラインの衛星としての動きが中心で、ボールタッチの回数そのものが少なかった。松井も悪い出来ではなかったと思うが、小野であればどういう絡み方をしたのだろうか。

■ FW
1戦目はピッチコンディション、2戦目はレフェリーの影響はあったけど、2戦ともフィジカルで圧倒されたという印象。そしてトップ下がいなくなるもんだから完全に孤立していた。もっとチーム全体で崩さないとどうしようもないなぁ・・・と同情的。

高原は、2試合連続ゴールで余裕が感じられるようになってきた。でも以前ほど守備しなくなったなぁ。別にポジショニングは悪くないんだけど、形だけのプレッシャーというか、柳沢が気の毒なくらい守備してたのとは対照的だった(笑)

柳沢は、誰とでも合うというか最高のセカンドストライカーという面をコンスタントに発揮してくれる。彼の特徴であるスペースへの飛び出しをどう生かすか、この辺りはチーム全体で解決すべき点かな。

鈴木は、役割を果たしたと思う。1枚少なくなった時点で、徹底的に守って数少ないチャンスを生かそうというプランだったと想像するので。ただ11人揃っていたら、やはり攻撃面で物足りなく感じただろうとは思うけどw


それでジーコは、本番へのメンバーや戦術を固めているのだろうか。そろそろテストはおしまいにする時期だと思うのだけど。どうも毎試合、毎試合、目先の勝負に拘ってその辺りがおろそかになっている気がするんだけどな。来月のコートジボワール戦は、どんなメンバーで、どんな戦術で戦うのだろうか・・・。
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by heppoko_zephyr | 2005-10-13 23:49 | 日本代表
あーあ(日本2-2ラトビア)
前半は日本、後半はラトビア、お互いの特徴が出たいいゲームだったと思う。

日本は立ちあがり当初こそプレスのかけどころが定まらない様子だったけど、すぐに修正する。そしていくぶん出会い頭の感がある高原のゴールで先制した後は、試合のペースを握ることに成功した。

中田英、中村を軸に松井、サイド、そして中盤の底に位置した稲本らが激しいポジション・チェンジを繰り返しながら絡んでいく攻撃は、トライアングルの多い4-4-2ダイアモンド型の特徴がよく現れた攻撃で、とても面白いフットボールだった。

とにかく人もボールも動き回り、日本版トータル・フットボールかと表現したくなるような可能性の片鱗を見せてくれたことには満足。でも勝負という点ではここでもう1点欲しかったかな。

しかし時間の経過とともに日本の動きなれたラトビアは、日本の前線の基点を徹底的につぶすことで中盤の数的優位が生きはじめ(ラトビアは4-5-1)、次第に鋭利なカウンターを繰り出し始める。

そしてこのカウンターに手を焼き始めたことで日本の攻撃に手詰まり感が漂い、日本はハーフウェイ付近までしか有効なパス回しが出来ない状況に徐々に追い込まれる。それでも前半は、日本のポゼッション対ラトビアのカウンターという構図を保ったまま終了したように感じた。

前半に続いていい時間帯に得点した日本。しかし後半半ばにさしかかる前に運動量が落ち始めると、前半からラトビアの意図するところが明確にゲームに現れ始める。とくにダイアモンド型は中盤の運動量があってこそのフォーメーションだと思うのだけど、こうなってしまっては苦しい(まあどのフォーメーションでも同じだけど)。

そしてやはり日本の弱点である高さ不足をついてきた。多分に寒さで固くなっていたピッチ・コンディションの影響もあろうが、地面にバウンドしたボールさえことごとく競り負ける。ボールの出所を組織的に抑えるわけでもなく、最終ラインがずるずると下がらされては失点も仕方ないし、妥当な結果になったと思う。

ペース配分に失敗したのか、体力がないのか。2-0になった時点でそのゲームは終わったも同然で、確実に終わりにしないと。それがフットボールの考え方で、強国は確実に勝ちきる術を実践できる。(あの時間にあのパスはないでしょ>N.K選手)

まあジーコも3バックへ変化させたり、前線で疲れの見える選手交代を行ったわけだけど、本番では3人までしか選手交代は認められない。テストマッチとしては、よい教訓になったのではないでしょうか。
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by heppoko_zephyr | 2005-10-08 22:41 | 日本代表
ドイツWC、日本の目標は?
ジーコ監督、現実的に「W杯は4強目標」(日刊スポーツ)

日本代表ジーコ監督(52)が、2日付のブラジル紙エスタッド・デ・サンパウロのインタビューで、W杯の目標を「4強」とした。
ブラジルを優勝候補筆頭に挙げ「日本は?」と問われると「ベスト4に残りたい。得点チャンスは多いが、ミスをする。予選はそれほど大変ではなかったが、問題があった」と話した。W杯出場権を獲得した6月8日の北朝鮮後、選手たちにはミーティングで「W杯は参加する大会じゃない。カップを奪いにいくんだ」と話したが、今回はやや現実的に? コメントした。

なんとも頼もしく、そして不安を感じてしまうコメントです。
目標は高い方がよいと思いますが、いつも強気なジーコの言葉を聞いていると
はたして日本の実力を正確に把握しているかという点で心配になってしまう(笑)

ところで、ドイツWCの抽選では日本は第4ポッドでは?
したがって同じグループに入る対戦相手は、ブラジルなどの強豪国、
欧州中堅、南米の中堅またはアフリカあたりから各1国が予想されます。

そして抽選結果によっては、
アルゼンチン、イングランド、スウェーデン、ナイジェリアが同じ組になった
2002WCのF組のような死のグループに入ることもありうるわけで・・・。

ちょっと極端な例を出してみましたが、
ドイツは中立地といってもアウェーに近い環境ですし、
上位進出すると試合数も増えるので選手層のことも気になります。

なにより「W杯は4強目標」と言えるほどの絶対的な強さは感じませんし、
少し強い相手になるとちょっとした勝負の綾に影響されそうな危うさを感じます。
抽選次第ではグループリーグでの敗退もあるだろうし、
逆にベスト8までは考えられるというのが、今の日本なのかなと思います。

これまでにも幾度となく書いてきたことですが(6月9日7月3日のエントリとか)、
日本らしい魅力的なフットボールを築き上げて、世界の舞台で披露する。
ジーコには、そういうことも忘れないで欲しいなと。

(´-`).。oO(千葉 vs G大阪はかなり面白そう...柱谷監督って...)
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by heppoko_zephyr | 2005-10-06 00:00 | 日本代表
オシムたん続投
千葉 オシム監督、来季も続投(産経)
この記事を読んだとき、なぜか涙が出てきた。

ついこの間もオーストリアから代表監督要請があったという。
90年代の旧ユーゴスラビアの華麗で緻密なフットボールへは高く評価されており、
欧州では未だに稀代の名監督のことが忘られないのだと想像している。

シーズン前に村井、茶野らが抜け、今シーズンはよくて中位と予想された千葉。
そんなチームを若手中心で優勝争いの鍵と言える存在にまでに立て直したばかりか、
もしかしたら・・・という期待まで抱かせてくれるようになった。
そして、ナビスコカップも準決勝まで勝ち残っている。

オシム監督の試合後の会見は、多くの記者が注目し耳を傾けると聞く。
自分もいつの間にか含蓄あふれる彼の言葉のとりこになってしまい、
毎週コメントを読むためにサイトを訪問している。

先ほどの引き分けに終わった鹿島との試合、
どうみても個々の選手のレベルで劣勢な千葉が互角に渡り合っていたが、
まさに彼の手腕の賜物と言えるのではないだろうか。

そして毎試合後に千葉の選手のコメントを読んで感じることは、
試合中も一人一人が冷静にゲームを分析し、
自分たちの力をピッチ上で表現しようとしていること。
チームとして明確な意図が感じられるサッカーは面白い。

どのスポーツでも同じことだと思うが、戦術は重要である。
とはいえフットボールは、比較的選手の自由度が高いスポーツ。
オシムたんにかなり鍛えられているに違いないのだ。

オシムたんには、1日でも長く日本のサッカーシーンに影響を与え続けて欲しい。
と同時に、彼のユニークなコメントに触れ続けたいと願うのです。
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by heppoko_zephyr | 2005-10-01 21:20 | Jリーグとか